Cross Over
矛盾
デスクに座り、譜面に目を落とす。
ここは・・・いや、ダメだ。やっぱり繰り返して・・でも、やっぱりここに繋げようかな・・・
仕事を片付け、定時を過ぎたが
譜面と睨みあったままそこから動けない。
あーっ・・・やっぱりここはこっちのほうがいいかもしれないっ・・
譜面に書き込まれた鉛筆のあとを消ゴムで消す。
その時。
ふと背中から声をかけられた。
『・・・黒川先輩。』
その声に顔をあげ、
振り向いた。
『沙織ちゃん・・。』
少し怪訝な表情でこちら見て、
沙織が重苦しく微笑んだ。