【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
「え……? なにって……」
突然放たれたピンポイントな問いかけに、ドキリと心臓が反応する。
湊へのプレゼントを買っていたなんて言えない。
プレゼントは、サプライズにしたいから。
答えに戸惑っていると、湊が顔を上げた。
「そんなに言えないこと?」
「みな、と……?」
こちらに向けられた湊の顔は、見たことがないほど力がなく、悲しみに包まれていた。
「湊、どうしたの? なんか、変だよ……?」
普通じゃない湊の様子に、思わず声が震える。
湊はこちらを見ないまま、ぽつりと呟いた。
「……なんでもない」
ソファーから立ち上がり、しゃがみ込んでいた私の横を通り過ぎていく湊。