【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
「俺はもう亜瑚のそばにいられない。これ以上一緒にいたら……」
そう言いかけて、湊が口をつぐんだ。
そしてまた、私から目を逸らして下を向く。
「……そういうことだから。突然ごめん。
今すぐじゃなくても、少しずつ距離を置いていく方向でやっていこう」
湊はそう呟くと、目も合わせないまま家を出ていった。
バタンッとドアの閉まる音が、静寂の中で重く響き渡る。
そして家の中には私ひとりだけになった。