【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
「あの……どちら様ですか?」
『俺だよ、祐馬!』
湊じゃなかったことに、ちょっぴりホッとしたような、ちょっぴり残念なような、そんな複雑な感情になる。
「あ、あぁ! 祐馬くん! どうしたの?」
『いやー、湊のやつ携帯学校に置いて帰っちゃってさ』
『湊』
その言葉に、胸が切なく締め付けられる。
「そう、なんだ……」
すると、祐馬くんのいつものおちゃらけた喋り方じゃない、1トーン落とした真剣な声音が聞こえてきた。
『湊に婚約解消しようって言われたんだって?』
「え? なんでそれを……」
『湊に聞いたんだ。あいつ今日変でさ。心ここにあらずって感じだったから聞き出した』
「そうだったんだ……」
私が学校で見た湊は、いつもどおりのクールな彼だったのに。
湊がどんな気持ちでいるのか、ますますわからなくなる