【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
湊に乱され、まだ早鐘を打つ鼓動の音を聞きながら、彼を振り返った。
「湊、お味噌汁の味見する?」
「ん、するする」
私は作ってあった味噌汁をおたまで掬い、湊の口元に近づけた。
すると、湊が私の手首を掴んで自分の方に引き寄せ、味噌汁をすする。
「……っ」
『あーん』してるみたいで恥ずかしいかも、これ……。
本当の夫婦みたい……。
「なんか今の、夫婦っぽかった」
思ってたのと同時に、湊もそう言った。
「ね。ちょっとっていうか、だいぶドキドキしたかも……」
「今まではなかなか夫婦って感じにはなれなかったけど、これからは本物の夫婦になっていこ」
湊が優しく微笑んで、私の瞳を覗き込んでくる。
私……胸がいっぱいだ……。
「うんっ!」
湊につられて、私も笑顔がこぼれた。