【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
俺は上体をかがめると、ずいっと覗き込むように亜瑚に顔を寄せた。
至近距離から見つめ、逃げ場をなくさせる。
「亜瑚。好きって言えよ」
「な、な!?」
「ほら、早く」
せかすと、もじもじうつむく亜瑚。
なんだか俺、めちゃくちゃ欲しがりになってる。
でもこんなふうに自分をさらけ出せるのも、亜瑚にだけで。
「す、好き……」
顔を真っ赤にして、潤んだ瞳でそう言う亜瑚が可愛くて、たまらなく愛おしい。
俺……重症かもしれない。
亜瑚の手首を掴み、囁きかける。
「もっと」
「好き……っ」
「もっと」
「好き。大好き……」
「俺も。……なぁ、亜瑚からキスして?」
追い打ちをかけるように甘くねだれば、ただでさえ真っ赤だった亜瑚の顔が、さらに真っ赤に染まる。