【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
「なにやってんの、こんなところで」
うっ……。なにやってたって聞かれても……。
湊にヤキモチやいて逃げてきた、なんて恥ずかしくて言えないし……。
「ちょ、ちょっと髪が縛りたくて」
咄嗟にごまかす。
本当の理由じゃないけど、嘘でもない。
「ふーん。じゃあ、俺が髪縛ってやろっか?」
「えっ! いいの!?」
「やったことないけど、束ねるだけでいいなら」
「いいよ! やってほしい!」
私はヘアゴムを渡して、湊に背中を向けた。
私の髪に、湊の長い指が通った。
髪をいじられるのって、慣れなくてなんだか照れる。
くすぐったいような気持ちいいような、そんな心地だ。
なんだかんだ言って丁寧に縛ってくれてるから、全然痛くない。