【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
玉のセッティングをしたスターター係の生徒が、ピストルを空に向けた。
「いちについて! よーい!」
――パーンッ。
ついに湊達のレーンの走者が走り出した。
湊はいい反応で綺麗なスタートダッシュを決めた。
その途端、女子からの黄色い声援が溢れ出す。
私も大きい声で応援したいのに、秘密を抱えているせいで、みんなと同じように応援できないのがもどかしい。
湊はというと、あっという間に札を引く場所に到着した。
「さぁ! 一番で到着した如月湊くんはなにを引いたのか……!
……おおっ!? なんと、バク転です!!」
「えっ!?」
校庭に響き渡る実況に、私は抑えることも忘れて思わず大きな声をあげてしまう。
バ、バク転!?
さっきまで見てたのより、いきなりレベル上がっちゃってない!?