【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
「よーし、わかった! 愛をいっぱいあげる!」
くしゃくしゃーと頭を撫でると、湊は体を起こし目を細めて笑った。
「これで頑張れる」
「頑張れ! 応援してるから!」
ベッドの上で起き上がり、ガッツポーズを作る。
湊が、軽々と保健室の窓枠に飛び乗った。
そしてこちらを振り返る。
「愛する妻のために走るから、目離すなよ」
「もちろん!」
湊しか見ないよ、絶対!
「じゃ、旦那、妻のために頑張ってきます」
湊が敬礼をする。
「妻、精一杯旦那の応援してます」
私も敬礼を返すと、湊は優しく笑い、窓から飛び降りてグラウンドへ駆けて行った。
私は保健室でひとり、遠ざかって行く、その頼もしい背中を見つめていた。
ほんと、湊には敵わないや……。
さっきまでの不安が、今はもう全部消えている。
よし! 旦那の応援に行かなくちゃ!
私は保健室を出て、グラウンドに向かって廊下を駆けた。