【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
意地悪だと思っていたけど、時々優しいし、こんなにも柔らかく笑うのだ。
こんなにもキラキラして見えるのは、きっと見た目のせいだけじゃない。
湊のそういう面に、一緒に暮らしてみて、初めて気づくことができた。
「なに見てんの」
「え? あっ、あぁ、ごめん……」
長い間見つめていたことに気づき、慌ててうつむく。
「あんたさ、学校までひとりじゃ行けないだろ」
「あぁ、うん……」
言われて気づく。
そういえば、引越したから、この家から学校への行き方、知らないんだった。
「俺が連れてってやるから、準備してこいよ」
「あ、ありがとう」
意識してしまっているからか、返事がぎこちなくなってしまう。
恥ずかしさをごまかすように立ち上がり、私は学校に行く準備を進めた。