【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?


意地悪だと思っていたけど、時々優しいし、こんなにも柔らかく笑うのだ。

こんなにもキラキラして見えるのは、きっと見た目のせいだけじゃない。


湊のそういう面に、一緒に暮らしてみて、初めて気づくことができた。


「なに見てんの」


「え? あっ、あぁ、ごめん……」


長い間見つめていたことに気づき、慌ててうつむく。


「あんたさ、学校までひとりじゃ行けないだろ」


「あぁ、うん……」


言われて気づく。

そういえば、引越したから、この家から学校への行き方、知らないんだった。


「俺が連れてってやるから、準備してこいよ」


「あ、ありがとう」


意識してしまっているからか、返事がぎこちなくなってしまう。


恥ずかしさをごまかすように立ち上がり、私は学校に行く準備を進めた。

< 34 / 238 >

この作品をシェア

pagetop