【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
「……湊」
スクールバックに手をかけたところで、ぽつりと俺の名前を呼ぶ祐馬の声が背中にぶつかった。
「ん?」
「その子のこと、ちゃんと愛せるようになるといいな」
反射的に振り返れば、祐馬はいつものふざけた顔じゃない、真剣な顔でこっちを見ていた。
……やっぱり、祐馬には逆らえないな。
祐馬とは小学生に入学してすぐ、たまたま机が隣になり、そこから中学、高校と同じ進路を進んできた。
幼なじみであり、腐れ縁だ。
いつでも自然と隣にいてくれたこいつを、一番信頼してる。
俺はなにも言わず、祐馬に背を向け教室を出た。