【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
そう言うと、亜瑚は慌ただしくキッチンに走っていった。
ひとりリビングに残れば、嵐が去った後みたいな静けさがやってくる。
亜瑚が消えていったリビングの方を見つめ、俺は思わず苦笑した。
ほんと、一日中騒がしいな。
でも、昨日いきなり婚約者になった俺のために誕生日会開くとか、変なやつ。
パーティー会場みたいに飾り付けられた、リビングを見回す。
ひとりでえっさえっさと部屋の飾り付けをする亜瑚の姿が思い浮かんで、気づけば俺はぐっとこぶしを握りしめていた。
胸に湧くこの感情がなんなのか、俺にはわからなかった。