【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
「ふーん。じゃ、いーや」
わざと俺もそっぽを向いてみせると「……あっ!」と亜瑚が焦ったような声をあげた。
「なに?」
「いや、あの、……ちょっとくらいは、構ってくれたって……いいんだよ……?」
……あれ? なんだこれ。
薄い涙の膜で瞳を潤ませ、上目遣いで見つめてくる亜瑚。
顔を赤くしてるのがまた……。
「……っ」
これが、窮鼠猫を噛むってやつ?
なんか、俺がやられてる……。
「わかったよ。構ってやる」
「えへへ」
我ながら素っ気ない返事をしたのにもかかわらず、嬉々とした声をあげ、亜瑚がすごく嬉しそうに笑う。