【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
「なぁ、湊。もしかしてその子」
祐馬くんがそう言いながら、私に視線を投げかける。
すると、湊は私の肩を抱き寄せた。
「そ。こいつ俺の嫁」
「……っ」
突然湊との距離がゼロになり、甘い香りに包まれ、一気に体が熱を持つ。
近い近い! しかも突然バラしちゃいましたけど!?
いろんな意味で焦っている私に、湊は余裕げにふっと笑みをおとした。
「大丈夫だよ。祐馬は幼馴染だから、俺ん家のしきたりのことは知ってる」
「そ、そうだったんだ……!」
高校生活が危ぶまれずに済み、ほっと胸を撫で下ろしていると。
「へ~! この子なんだ! 湊のお嫁さん☆」
そう言って祐馬くんが、入り口から私の前までやってきた。