【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
【湊 side】
「すごく、毎日……幸せ……なんだ……よ……」
亜瑚はそう言うと突然静かになり、やがて寝息が聞こえてきた。
実を言えばずっと起きていた俺。
『起きてる』って言うタイミングを見失ってたら、亜瑚の独り言が始まって。
横を見ると、亜瑚が気持ち良さそうに寝てる。
「ったく、勝手に不安がってるなよ……」
寝てる亜瑚の鼻をつまむと、「んー」と声をあげた。
「おまえは、俺のことだけ見てればいいんだよ」
亜瑚の手を握りしめる。
自分のそれよりも一回りも小さい亜瑚の手の温もりを感じながら、この手を、こいつを守ってやりたいと、なぜかそう思っている自分がいた。