【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
まだ知らない君の顔
「おい、起きろよ、亜瑚」
「ん……」
誰かに体を揺すられ、重い瞼を開けて目を覚ますと、すぐ目の前にはイケメンの顔。
「……王子様……?」
「は? 寝ぼけてんの? 俺だよ、湊」
頭がやっとイケメンの顔を認識して……。
「あ! 湊!」
「やっと起きた。もう7時だよ」
「えっ」
壁に掛けてある時計を探して見ると、いつもなら朝ご飯を作っている時間だ。
「大変!! 朝ご飯作らなきゃ!!」
「まったく。世話のやける嫁をもつと大変だな」
「へ?」
「ぐうすか嫁が気持ち良さそうに寝てるから、できた旦那が朝食作ってやった」
見ると、湊は私のカーキ色のエプロンを着ている。
「えっ! うそ! ほんと!?」
今回ばかりは本当に助かった……。
だって今から朝ご飯を作ってたら、学校には間違いなく遅刻だった。
「ありがとう、湊!」
「早く食おう。 腹減った」
「うんっ!」