【完】クールな同級生と、秘密の婚約!?
おいしい朝ご飯をもくもくと食べていると、不意に湊が箸を置いた。
「なぁ、亜瑚」
「ん? なぁに?」
「俺、彼女とかいたことないから」
「へ?」
「じゃ、ごちそうさま」
一方的に話を切り上げると、湊は立ち上がり食器を片付けにキッチンに消えていく。
ひとり取り残された私は首を捻る。
湊ってば、なんでいきなりそんなこと言い出したんだろ。
でも、彼女がいなかったと知って、ちょっと嬉しい自分もいる。
ううん……、全然ちょっとじゃないかも。
心がスッと晴れていく感じだ。
ずっと心に引っかかってたけど、直接本人には聞けなかったから。
もしかしたら昨日の夜、湊に言ったことが伝わったのだろうか。
ま、そんなわけないか! 湊、寝てたし!