2人の陰陽師〔後半〕
「賢い人間は嫌いじゃないぞ?そうよの、やはりお前にきめたわ、男」



ニヤリと狐は笑って、てを離す。

なにをするつもりだ…?



意図がわからず、口を開こうとする前に狐は二つ、てを叩いた。


景色がグニャリと曲がったと思うと、それは一瞬で。



俺は月がぽっかりと浮かぶ森のなかへ移動していた。




俺だけが移動したらしくほかには誰もいない。



「これより男、お前とルナ戦ってもらう。ルナがお前を殺せば、元に戻してやろう。また、逆も然別。まあ、その場合戻るのは死体じゃがの。我はどちらかの魂を食えれば問題ないのでの」

そう上から声がかかる。


ルナと狐は木の枝の上にいて、後ろを月が照らしていた。




俺がルナと戦うだと…?



しかもルナを助けるためには、俺がルナに刺されて殺され、あの狐に魂を捧げなきゃいけないときた。



あの狐に魂を捧げるなんてまっぴらごめんだ。




それに。




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