2人の陰陽師〔後半〕
ばっ、っと顔をあげれば自分の刀でお腹を刺したのか、お腹が赤く染まり倒れたルナの姿。


刺して引き抜いたのか手には、血のついた刀が。


「ルナっ!!」



抱き寄せれば、ルナは弱々しく微笑んだ。



「よかった…蓮刺さずにすんで…」


「だからって自分をさすんじゃない!」


「だって…そうでもしないと、…自分じゃ止められないし…。」


狐の拘束が緩んだ一瞬だったとルナは言う。



だからって、自分を刺すなんて。



「このっ、…大馬鹿、ルナ!」


「泣いて…言ってもこわくないよ?」


なかないでと、ルナが俺に手を伸ばす。


泣かせてごめんなさいとも。

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