ここでキスして。
「お前顔真っ赤」
「………遙が変なこと言うからでしょ」
手のひらで両頬を覆って熱を冷ます。
遙は昔と違って、世間一般的にカッコイイ男の子になったかもしれないけど、私にとっては小さい頃から兄弟のように育ってきたから。
そんな恋人同士がするようなこと、……考えられない。
「そういうことは他の子に言ってよ」
両頬に手をやったまま遙を見上げる。
「…あっそ」
呟いて、つまらなさそうに私に背を向けて歩きだした。
…ほんとに、からかわないでほしい。