それでも、好き

気になる人

それから、私と咲原君は毎日昼休みに桜の下で会うようになった。

「唯と話してると、俺いつも楽しい!」

「ありがとう!」

「唯、あのさ…俺に弁当作ってくれね?」

「え?私は別に良いけど、なんで?」

「俺、いつも購買でパン買って食うんだけど。唯、弁当作るの上手いし、唯の食べてみてーんだ。」

「分かった。作ってくる!」

「サンキュー♪」

どうしてだろう…すごくドキドキする。よく分からない気持ち。

昼休みが終わって、私は稚夏ちゃんと話してた。

「唯ちゃん、もしかして恋したんじゃない?」

「え?そうなの?」

「うん、だって。咲原君だけにしかドキドキしないんでしょ?」

「うん…。」

「だったら、恋だよ。」

私、咲原君に恋したのかな…。いまいち分からないけど。

「あ、噂をすれば来たよ。咲原君。」

「えっ…。」

「唯!!」

「ど、どうしたの?」

「いや、あの…一緒に帰ろうかと…。」

「……。」

「嫌…か?」

「い、嫌じゃないけど…。」

え?嘘。一緒に帰ろうって言った。なんで?どうして?

「よしっ!決まり。」

「お前、唯貸して貰うぞ。」

「どうぞどうぞ。」

「すまんな…。」

それだけ言った後、咲原君は私を連れてスタスタ歩いて行く。

「ちょっ、ちょっと待って…。」

「あ、悪い。」

「えっ…うん。」
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