春-始まりのうた-
「なんで...凛さんこんなとこに..」


「どうせまた抜け出すと思って。」


何も言い返せれない。
現に抜け出してきたわけだし。


「お前まだあの男が好きか?」


「そんなことっ!」


「そんなこと、なんだよ。」


「...好きなんかじゃありません。」



そう。
もう好きでもなんでもない。


「ならなんで泣いてんの?」


えっーーー


急いで顔に手をやると、
私のほっぺは濡れていた。



「違う...
違うんだよ...私...」


もう、我慢できなかった。




「話したいことがあるならなんでも言え。全部俺が聞いてやるから。」


ーーーーーー
ーーーーー
ーーー
< 19 / 22 >

この作品をシェア

pagetop