春-始まりのうた-
あの後ひとしきり泣いて、

私は凛に全部話した。

半年前に両親が離婚したこと。
それがお互いの不倫が原因で、
どちらともが私を置いて行ったことも。


そして、龍樹のことも。
浮気とDVの繰り返しで、それでも
別れられなかった弱い自分のことも。



「お前はどうしたい?」

「え?」


「またDV野郎のところに戻りたい?」



そんなこと....


「俺じゃだめ?」


また、 これだ。


「わりぃーけど、冗談でもなんでもない、俺本気で言ってんだけどさ、」


「本気...?」


「確かに俺の一目惚れでお互いなんも知らねーけど、俺は瑠衣と居たい。」


真面目な凛の顔に
思わず涙が溢れた。


「泣いてんじゃねーよ!笑
瑠衣は笑ってろっつったろ? 俺は別に今すぐ付き合えとかは言わないから。
とりあえず、家戻ろうぜ。さっきから携帯なりっぱなしだわ 笑」


そう言って凛は私の頭を
クシャクシャに撫でてからまた笑った。


「うん。行く。」

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