春-始まりのうた-
あの後またお店に戻り、
1台残っていた車にのって
凛と一緒に立川家に向かった。


「ねぇ、凛さんお酒飲まなかったの?」

「まぁな。こうなること分かってたし」


何でもお見通しなことで...


「ねぇ凛さん!」

ーーーフッ

ん?なんか笑われた?

「お前さ、その‘‘凛さん”ってどーにかなんねーの?笑」


「だって。じゃぁ宮森さん?」


「お前わざとだろ、笑」


こんなやり取りをしている間に
涼の家に到着した。

そこはなんと、

私の家から20分ほどの
ご近所さんだった。



ーーーーーピンポーン

「どーぞー」

涼の声とともに扉が開き、
中に入った。


「お邪魔しまーす」


中に入ると
蓮とハルがお酒を呑んでいた。

「お!瑠衣!どこ行ってたんだー?
俺ら心配して探したんだからな!」


「ごめんなさい、ちょっと散歩を...」


「ハルくん嘘はいかんよ、
最初からこうなることはみーんな分かってたからね?笑」



「え?みんな、って?」


蓮の言葉が理解できず
涼をがんみ。


「瑠衣ちゃんが出て行く10分くらい前に凛から電話きたんだよー。‘‘多分出て行くだろうから声かけないで”って。」


そうだったんだ。
なんも知らなかった。



「あれ?凛は?」

そういえば部屋に来てから凛の姿がない




「凛なら今風呂入ってる。瑠衣ちゃんもはいってくるか?笑」



なっ///


「涼くんもイジメ過ぎ!笑
瑠衣ちゃん顔真っ赤じゃんかさ!笑」



「だけど凛がこんなにも惚れるなんてほんと始めて見たんだけど。」


ハルくんの一言で更に恥ずかしい。


「でもどうせ、付き合ってとかは言われなかったんじゃない?」



「うん、今すぐじゃなくて、って。」


「だろうね、兄貴らしいよ!笑」

「だな 笑」


なんだかみんな本当に優しくて
暖かくて、
気づいたらまた私は泣いていた。



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