春-始まりのうた-

ーーーガラガラ
「失礼しまーす。」

「お、哀川。今年もあれか?
バイトは続けるか?」

そうそう、うちの学校意外と厳しくて
バイトはある程度成績がよくないと
出来ないし、手続きが必要。

「あー、お願いします。バイトしないと
結構生活苦しくて!」

私、一人暮らしで両親いないから
バイトしないと死んじゃうわけで、
半年に一回申請しなきゃならないの。

「新しいクラスには慣れたか?」

「だいぶ。って言っても松井と笠原くら いしかあんま喋んないかなー。」

「そうか。まぁ、無理せん程度に学生生 活楽しめよー。」

緩そうな喋り方だけど、
やっぱり担任でいろいろ気にかけてくれる。学校の先生はみんな優しい。

他の生徒とは少し違う目で
私を見てくれてる。

両親ともがお互い不倫して
どっちともに捨てたれた私を
同情の目で見てくれてる。
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