春-始まりのうた-
「先生、ちょっと体調悪いので
早退しまーす。」
13時に集合なら
はやく帰って準備しなきゃね。
湊としきに小さく手を振って
誰もいない家に帰った。
玄関でいつも思う。
半年前までは家族3人で暮らしてた家。
今となっては一人ぼっちで
あれほど仲良くしてた家族の跡なんて
まるでない。
全部偽物だったんだ。
だけどね、
私には龍樹がいるんだ。
合鍵も渡した。
もう1人じゃないんだ。
ーーーブーッブーッ
LINE:しき
【楽しんできなよ、気をつけてね】
しきからのLINE。
分かってるよしき、
気をつけてね の本当の意味。
ごめんね、
1人は耐えられないんだよ。
そう胸の中で呟きながら
出掛ける準備をした。
早退しまーす。」
13時に集合なら
はやく帰って準備しなきゃね。
湊としきに小さく手を振って
誰もいない家に帰った。
玄関でいつも思う。
半年前までは家族3人で暮らしてた家。
今となっては一人ぼっちで
あれほど仲良くしてた家族の跡なんて
まるでない。
全部偽物だったんだ。
だけどね、
私には龍樹がいるんだ。
合鍵も渡した。
もう1人じゃないんだ。
ーーーブーッブーッ
LINE:しき
【楽しんできなよ、気をつけてね】
しきからのLINE。
分かってるよしき、
気をつけてね の本当の意味。
ごめんね、
1人は耐えられないんだよ。
そう胸の中で呟きながら
出掛ける準備をした。