レヴィオルストーリー
「あのな、えと…」
「アレンよ」
ロンがちらっと見てきたので、レイはすぐに答えた。
「アレン君、かぁ。アレン君はね、色々あってちょっとここに迷い込んじゃったんだ。すぐに戻れるから、大丈夫。」
ロンはにこにこしながら言った。
「アレン、私がついててあげるから…大丈夫よ」
レイも微笑みながら言う。
「…どうしておれの名前知ってるの?」
「それも、色々あってね。」
「ふぅん」
すんなり納得してくれた子供アレンは、興味なさげにそう言うと横のギルクを指差した。
「この子もなの?」
「うん」
レイは笑みを絶やさずに言う。
「……………。」
アレンはジッとレイを見た。
「どうしたの?」
「…ううん。」
そのままプイッと横を向き、見つけた平たい岩に座った。
足が地面につかず、浮いている。
「…なんか可愛い…」
レイは思わずそう呟いてしまった。
「レイは小さい子、好きだからなぁ」
ロンはレイを見て微笑む。
「レイ、どうする?」
イルがギルクと手を繋ぎ、レイに聞いた。
「時間が経てば戻るみたい。しばらく待ってましょ」
「わかった…あっ、そうだ♪」
イルは何かを思い付いたらしい。
いきなり鞄の中に手を突っ込み、何かを探した。
そして――――――
「じゃじゃ~~~~~ん♪」
イルの効果音付きで出てきたのは、お菓子。
「あら、ちょうどよかったじゃない!」
レイは嬉しそうに言う。
「でしょ~ん☆はい、これアレンに渡してきて~」
そう言ったイルはレイの手のひらにチョコレートを落とした。
「たぶん子供でも好きなものは変わらないでしょ♪」
イルはかなりこの状況を楽しんでいた……………。