レヴィオルストーリー
12.幼なじみ
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アレンとレイが仲直りし、三人とロンは眠っているギルクを運びながら宿に戻った。
考古学で有名なだけあって、メアンビレッジの宿は本が置いてあるなど、文学的な感じの部屋だ。
「お兄ちゃん、見つけたからにはもう行かせないわよ…。レイマシティまで着いてきて!」
「俺はまだここで考古学を勉強したいんだけどなぁ」
ロンは爽やかに笑い、怒るレイに言った。
「何言ってんの!お母さんとお父さんがどれだけ心配してると思ってるのよ!!」
「ん~、そうだね…。じゃあ二人に言ってからまた来るしかないかな…。」
レイの物凄い迫力ある剣幕に、ロンは諦めたようだ。
「…アレン」
怒った顔のままアレンのところに来たレイ。
アレンは少し面食らった。
「…何」
「次、レイマシティに行ってもいいかしら。私の故郷なんだけど…。」
「いい」
あっさりとそう言ったアレンは読んでいた本に視線を落とした。
「何の本?」
ロンが興味を持ったらしく、アレンのところに寄ってくる。
「“四つの灯台”」
「あぁ、それ呼んだことあるよ!興味あるのかい?」
「故郷のカルアシティにあったから」
アレンは本を閉じ、ロンを見上げた。
「カルアシティ出身なのか。あそこには南の塔があったんだよな。」
「…はい。」
少し間を空けて返したアレン。
「アレン?」
レイが不思議そうに見つめた。
「え?」
アレンはうつ向いていた顔を上げる。
「どうかしたの?」
「…別に。何で?」
「…ううん、何でもないならいいの。」
ロンはアレンとレイをまたジッと見つめる。
「…レイ」
「え?お兄ちゃん?」
ロンはレイに後ろから抱きついた。
「帰ったら家族みんなでどっか食べに行こう。それから…」
ロンはポケットから何かを取り出した。