レヴィオルストーリー

声を震わせ、聞いたレイ。

「アレンの彼女のスーリン=ミナルでっす☆華の16歳♪」

「彼女じゃない。ただの幼なじみ。」

アレンはむっとしてスーリンを見た。


「やだぁ~、いつもみたいににこにこしてよぉ。」

「え?いつもみたいににこにこって…。」


スーリンの言葉に、周りの全員が反応した。

アレンはそんなキャラじゃないけど…。


「…余計なこと言うな」


「本当のことだもん」


そこに、また二人誰かが来た。


「スーリン、アレンが困ってるでしょ。どきなさいよ。」

「ユナル…」

ユナルは長い銀髪でやはり藍色の瞳をした女の子だった。

「アレンに会えて嬉しいのはわかるけどさ。」

「エニスぅ…」

エニスと呼ばれた男の子は、藍色の髪と瞳で、黒ぶち眼鏡をかけている。

賢そうな青年だ。


「…ユナル、エニス…。久しぶり…。」

「えぇ、久しぶりね、アレン。あなたが街を抜け出してもう一ヶ月ってとこかしら。どれだけ心配したと思ってるの?」


再会草々、ユナルはアレンにお説教。


「あの…」

ギルクがそろぉ~っと手を挙げた。


「何?」

ユナルは長い銀髪をうるさそうに払い、ギルクに体を向ける。


「ユナルさんはアレンの姉さんですか」

「違うわ。幼なじみ。私、アレンと同じ16歳よ。」

二十歳にも見える大人っぽいユナルはまだ16歳だった。

「俺も幼なじみで同い年。」

エニスが聞かれる前に言う。


「アレン、抜け出したの?」

レイに鋭く指摘され、アレンは不機嫌な表情になった。


「…旅に出るときは黙って出てきたけど…、抜け出してはない」


「それを抜け出したと言うんだよ」

エニスは眼鏡をいじりながら言った。





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