レヴィオルストーリー

「…アレン、戻らないんだ。」

スーリンは悲しそうに呟く。


「うん。俺はこのままこいつらと旅するから…。」

「ね、じゃあ今日だけでも一緒にいよう?渡すものもあるし…」

「渡すもの?」

「うん、街のみんなからよ。女の子からはほとんどラブレターだからほっといてもいいと思うけど。はいっ」

スーリンはでかい袋をドサッと地面に落とした。

「スーリン、お前人の手紙読んだのか?」

「…いいじゃない、気になるのッ」

アレンはため息をついた。


「アレン、これ何?」

そんな中、勝手に袋を漁っていたギルクが不思議そうにアレンに声をかける。

「ん?」

ギルクの持っているものを見て、アレンは固まった。


「それ、俺が入れた。必要だろ?」

それは、小さな石の破片だった。

光によって虹色に輝いている。


「……………。」

アレンはそれを手に取ると、鞄にすぐに直した。

「エニス、ありがとう」

「うん」

エニスは上品な笑みを浮かべる。




ぐぅ。





……………………。






「腹減ったぁ…」

ギルクがバタッと地面に突っ伏す。

鳴ったお腹を押さえていた。

「あたしもぉ~…」

イルが嘆いた。

「…そういえば朝から何も食べてないわ…。魚も捕まらないし…。」

「レイもお腹すいたのか?」

ロンが聞いた。

「うん…。」

「ほら、これ」


ロンはリュックからパンを出した。

「!めし!」

「ごめん、レイの分しかないや」

ギルクの一瞬輝いた目が再び死んだ。


「…あ…。」

みんなが空腹に死にかけている中、アレンが何かに気付く。


「…袋の中に食べ物ある…」


ギルクは袋に飛び付いた。






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