レヴィオルストーリー
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
夜。
アレン達は野宿していた。
いつも通り、一番最初に寝たアレン。
今起きているのはレイとユナルだけだった。
焚き火を真ん中に挟み、対になって座る。
「寝ないの?」
ユナルがレイに聞いた。
「寝れないの。」
レイはうつ向いて答える。
「どうして?」
「……………。」
黙り込むレイを見て、ユナルはニヤッと笑った。
「アレン、気になるのね」
「!!」
真っ赤になるレイ。
焚き火の赤に照らされ、さらに赤く見える。
「でもあの子、一筋縄じゃいかないと思うわ。正直まだあなたたちにも完璧に心を開いてないみたいだし。」
「………………。」
レイは立てた膝の間に顔を埋めた。
「ま、私達にもだけど。気付いてたんでしょう?」
「……………うん。
正直、不安なの。このまま一緒にいてアレンは楽しいのか…。
回数は増えたけどたまにしか笑わないし…。」
ユナルはレイをジッと見た。
「街にいるよりはいいと思うわ。アレンは街にいる間、ずっと気を張ってたから…。
一人のときと私達の前では違うかったけど。
ずっと笑顔で人に対応して、心の内を明かさないの。
私、あの街でアレンの本当の笑顔、もう8年は見てないわ。」
「そんなに…。」
「アレンはあの街の大人が嫌いなのよ。わかるけどね…。」
二人は黙り込んだ。
パチパチっと火の粉が弾ける音だけが聞こえる。
「どうしてそうなったの?」
不意にレイが聞いた。
ユナルは真っ直ぐに見つめてくる青い瞳を見つめ返す。
「それは私の口から言うことじゃないわ。私も詳しくは知らないし…。」
「…そうよね。ごめんなさい」
「謝らないで。でもアレンはあなた達には本心を明かしはじめるはずよ。あのアレンが素で笑うのを見たのは、ほんとに久しぶりだった。」
「夕食のときの話?」
レイが小さく笑いながら聞いた。
「それ、それ!ギルク君が吹き出したやつ!!」
クスクス二人で笑いあうレイとユナル。
「ちぇっ、んだよぉ」
影からギルクがそれを眺めていた。