レヴィオルストーリー
「アレン?」
ギルクとイルも心配そうに聞いた。
その顔をちらりと見たアレンは、
「…何でもない。大丈夫。」
と言って、小さく笑う。
―――遺跡で子供に戻ったアレンがそうしたように。
ぎこちない、笑みで。
「…大丈夫じゃないんでしょう?どうしたの!」
レイに勢いよく攻められ、アレンは困った顔をした。
「…………。」
「黙ってちゃわからないわ。」
レイの目が怖い。
「…頭痛い。」
負けたアレンは不機嫌そうに低く呟いた。
「え?頭痛がするの?」
「…ん。」
ぶっきらぼうにぼそっと呟くアレン。
「そうなの…。この近くに私の知り合いのおうちがあるの。そこで、休む?」
「いい。」
「駄目よ、顔色悪いんだから!」
聞いたくせに無理やり行くことを決定したレイ。
「アレン、背中のるか?」
ギルクが自分の背中を指さしながら言った。
「…いいよ。歩くくらいできるから。」
不機嫌極まりないアレンは、またまたぼそっと呟いてさっさと先を歩くレイについて行った。