レヴィオルストーリー
16.神の予言
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「アレンー、起きてッ!!起きてってばぁ~」
翌日の朝。
イルはまだ寝て布団にくるまっているアレンの上にダイブして、何度もそう繰り返していた。
「……………。」
ダイブの時点で実は起きてたりするアレンは、完璧に無視を決め込む。
「アレンってばぁ~。昨日リディンさんと二人で何話してたのぉ」
―――目的はそれか。
アレンは絶対起きない、そう心の中で決めた。
「アレーン!!もぉ~、起きてるんでしょうーッ!!こうなったら…」
痺れを切らしたのか喚いたイルは、どこからともなく杖を取り出す。
……どこからともなく。
出現場所不明のその杖を構えると、イルはにやりと性質(タチ)の悪い笑みを浮かべた。
そして。
「くっすぐり攻撃よぉぉぉ!!」
その杖で、アレンを思いきりくすぐった。
「…………………。」
レイはその様子を呆れながら傍観している。
その隣のギルクは楽しそうに呟いた。
「イルって行動の一つ一つがおもしろいよなぁ」
「……っ、やめろ!!馬鹿!!」
耐え切れなくなったアレンはがばっと飛び起きる。
「はわっ」
上に乗っかっていたイルはベッドから転げ落ちた。
「杖をそんなことに使うな!!」
「い~じゃぁん、あたしの杖だも~ん」
ぷくっと頬を膨らませ言うイルを見て、アレンはため息をついた。