レヴィオルストーリー
17.魔物注意報
レイマシティの北東にあるマラアビレッジ。
そこは漁業が盛んな小さくも明るい村。
レイの両親に挨拶をし(ローゼは若干渋った)、彼女の故郷を出たアレン一行はちょうどそこに来たところだった。
途中モンスターに会ったりと色々あり、少々お疲れの四人。
「村だぁあ…」
いつも元気なイルもさすがに疲れたらしく、弱々しくそう言うだけ。
……それだけ色々あったのだ。
「説明しろよなぁ…」
とりあえずギルクの意味不明な言葉は無視。
「…宿はどこだ?」
一刻も早く柔らかい布団に飛び込みたいアレンはそう言うと辺りを見回した。
どれだけ注意して見ても、彼の目には宿らしきものが映らない。
「さぁ…でもどこかにあるんじゃないかしら。」
レイは両親に渡された大量のおみやげを抱えながら答えた。
「なかったら困るわよぉ」
泣き言を言うが、イルはギルクにおんぶしてもらっている。
とことん甘えたなようである。
「…この時間だと漁師は湖に行っちゃってるだろうし…、誰か外に出てないのかな」
アレンがそう呟いた時。
「宿!」
無駄にキョロキョロしていたギルクが急に叫んだ。
「え?どこ?」
「ほら、あそこ。」
ギルクの指はかなり遠いところを差している。
「…視力半端ねぇな」
若干呆れるアレンを尻目に疲れはどこへ行ったのやら、ギルクはイルをおぶったまま猛スピードで走り出した。
「…またか」
レイは結構な荷物を抱えているから、さすがに前のように背負うことはできない。
「…のんびり行きましょ。疲れたわ…。」
レイはそう言ってため息を一つついた。
その荷物を何個か奪う。
「え?アレン?」
「重いだろ、持ってやるよ」
「あ…ありがとう。」
俯きながらレイはお礼を言った。
顔が真っ赤だったりするが、アレンには見えない。