レヴィオルストーリー
「お~い!!アレン、レイ~!!!!」
ギルクに名前を呼ばれ、二人は足を少し早めた。
「ほらぁ、やっぱ宿だあ!」
やっと追いついた2人に、ギルクははしゃぎながら言う。
「……………………。」
しかしアレンとレイは黙り込んでしまった。
ここは、明るい村。
なのに…。
「…古い、怖い…。」
レイが嫌そうに呟く。
そこは古い木造の宿で、木の看板に書かれた宿の名は読めないくらいに汚れていた。
お化けでも出そうな雰囲気だ。
「…これはちょっと」
アレンがぼそりと呟く。
すると中から何かが出てきた。
「……いらっしゃい」
しわがれ声で歓迎の言葉を述べたのは、長いやつれた髪の老婆だ。
「ひっ」
失礼だがイルが小さく悲鳴を上げた。
「……泊まらないのかい。今は魔物が多い時期だから…外にいると危ないよ…」
いや、あなたに会った時点で危ないと思います。
なんてのは口が裂けても言えない。
「泊まります!!!!」
「!?」
ギルクの発言に三人は驚いた。
まさかの発言。
イルは嫌だいやだとギルクの頭を小突きまくった。
しかし次のギルクの発言にそれは止まる。
「なんだよぉ、こんなん平気だ!!イルは俺が守る!!!!」
ビシッと言いのけるギルク。
「いや~ん、ギルクったらかっこいい~ッ!!」
調子に乗ったイルは今度は甘えだした。
「…一泊いくら」
色んなところを外から観察しながらアレンは一応訊いてみる。
「一人500¢じゃ」
―――――500¢。
安い。
「…わかった、泊まる」
「!?」
まさかの発言②に、レイは声にならない悲鳴を上げた。
「あ、あああアレン!ちょっと…待って、ね?」
彼女は青ざめながらアレンの腕をひく。