レヴィオルストーリー
「……《魔力透視》」
イルは魔力透視、相手の魔力の透視をその場ではじめた。
それをすれば相手が今までに使った魔法もわかるのだ。
「…ほんとだ」
イルは老婆のポケットの中を探る。
すると水晶のようなガラスのような、綺麗な両手で持てるくらいのサイズの玉が出てきた。
「ギルクの記憶だわ!」
「イル、そっとね。割ったらおしまいよ…。」
嬉しそうに跳び跳ねるイルを見かねて、レイは優しく忠告した。
「うん~♪ハイ、ギルク!」
差し出すと、玉はギルクの中にスッと入っていく。
ギルクの体が崩れた。
「わわっ」
それをイルが慌てて支える。
「ギルク、どう?」
イルの問いに、閉じていた目を開いたギルクは笑顔を返した。
「戻ったぜ…。はぁ、ビックリした。ありがとうな、みんな」
そのギルクの言葉にイルとレイは満面の笑みを浮かべた。
アレンまでもが若干微笑んでいる。
「ギルク様復活だあぁ!」
ジャーン♪と効果音を自分で言ったギルクは決めポーズをした。
「………………。」
盛り上がる三人を、アレンは少し離れたところで見る。
少し緩んでいた頬が元に戻り、真顔になった。
「……まさか…な。」
右の後ろの首筋を手で軽く触れると、アレンは三人の元に歩いていった。