レヴィオルストーリー
 
「おお、そうじゃよ。41代目のときから仕えておる。」

「…すげぇなメディンさん。」

メディンを尊敬の眼差しで見つめるアレン。


「アレンよ、勇者に興味あるのか?」

メディンはそのアレンの様子にそう尋ねた。

「いや、…別にそれはないですけど、そんな位の高い人はじめて見たから」

位の高い人と言われて照れるメディンは、花を拾い、43代目の墓に供えた。


「…そういえば、何で42代目の墓がないんですか?」

メディンが43代目に跪きながら手を合わせて頭を下げているのを見ながら、ふと思いだし聞いたアレン。

メディンはそのアレンを見上げた。


「…勇者様はみな死ぬまでその位におった。じゃから、墓がここにある。しかし、一人だけ途中で勇者の位を降りた者がいたのじゃ。」

メディンは懐かしそうに遠い目をしながら話す。

「それが42代目。僅か10年で位を辞退しながらも、史上最強で最高の勇者と言われた若き国王じゃ。」


そう言い終えると、再びアレンを見つめた。

「…何で42代目は辞退なんかしたんですか?」

その視線に戸惑いながらも、疑問に感じたことを口に出した。


「家族と過ごしたかったからじゃ。彼には大切な家族があったが、勇者の仕事は忙しくてなかなか会えなかった。」

 
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