レヴィオルストーリー
「…昨日死にかけて記憶喪失になった人とは思えないわ」
レイは怯えるギルクを見ながら呆れて言う。
直ぐ様立ち直った青年は彼女を見てニヒヒッと笑いピースした。
「いやさぁ、最近シリアスだらけだったしさぁ。ちょいっとおもしろくしようかと」
「誰だよお前」
すかさずアレンがビシッと言葉だけのツッコミを入れる。
「アレン最近ノリよくなってきたんじゃないッ?あたし達の努力の賜物ね♪」
「…意味わかんねぇし。馬鹿が移りそうで怖い」
呆れながら前髪を掻き上げたアレンはまともなレイの横に避難した。
「アレン、首都に来たのはいいけどどうするの?」
横に来たアレンを見上げながら、レイは首をかしげて訊く。
周りを歩く男達の視線が一気に彼女に集まった。
「メディンさんのとこ行きたいんだ。」
アレンは男共をジッと観察しながら真顔で言う。
「メディンさん?リディンさんのお兄さん…よね。」
「そ。」
言葉少なに返すアレン。
彼はただ一人の仲間のレイを引き連れ、歩いてどこかに向かったのだった。
「………あり?何か今の解説おかしくない?!
ていうかあの二人どこ行ったんだぁあ?!」
イルと遊んでいていつのまにか残されたギルクは叫んだ。
「ギルクうるさいわよッ、耳元で叫ばないでぇ!!」
バシッとギルクを叩いた後。
「あれ?あの二人は?」
イルははじめて置いて行かれたことに気が付いたのだった。