レヴィオルストーリー

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「…ここ…、勇者の城…?」


歩いていくアレンについてきたレイ。

やがて彼女が来たのは真っ白で立派なお城だった。


そこは本来、この国の王である勇者がいるべき場所。



「…やっぱ開いてないか」

調べたが城は閉鎖されたままだった。

少しがっかりした後、アレンは城の塀に沿って歩き始める。


「アレン?こんなとこにメディンさんがいるの?」

歩くのが速いアレンについていくためにちょこちょこ走りながら、レイは不思議そうに聞いた。

「メディンさんは元勇者側近だ。それに、前はそこで会ったから…。」

アレンはそこを指差す。


「…お墓?」

レイの目の前には城と同じく真っ白なお墓がたくさんあった。


まじまじとそれらを見つめる金髪美少女。



「うん。あれ、歴代勇者の墓らしい。」

それを聞いて目を輝かせたレイは、

「42代目のもあるの?!」

と嬉々として訊ねてきた。


「…え?何で」

アレンが怪訝そうに聞き返す。

するとレイは顔を少し赤くして、


「小さい頃、憧れだったの。今は顔も覚えてないんだけど…会ったことあって。」


そう言い視線を地面に落とした。

これにはアレンも目を丸くして驚く。



「会った?」

「そうなの。
私、両親と首都に来てたんだけど、迷子になって。
街の外れで泣いてたら、男の人が来てくれて…」

「一緒に両親を探してくれた…ってこと?」

「ええ。そしたら男の人見たお母さん達がすんごくビックリして…、勇者様、て言ったの。
その人、勇者42代目だったんですって」


言い終わるとレイは懐かしいのかふふ、と笑った。



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