レヴィオルストーリー
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「…ここ…、勇者の城…?」
歩いていくアレンについてきたレイ。
やがて彼女が来たのは真っ白で立派なお城だった。
そこは本来、この国の王である勇者がいるべき場所。
「…やっぱ開いてないか」
調べたが城は閉鎖されたままだった。
少しがっかりした後、アレンは城の塀に沿って歩き始める。
「アレン?こんなとこにメディンさんがいるの?」
歩くのが速いアレンについていくためにちょこちょこ走りながら、レイは不思議そうに聞いた。
「メディンさんは元勇者側近だ。それに、前はそこで会ったから…。」
アレンはそこを指差す。
「…お墓?」
レイの目の前には城と同じく真っ白なお墓がたくさんあった。
まじまじとそれらを見つめる金髪美少女。
「うん。あれ、歴代勇者の墓らしい。」
それを聞いて目を輝かせたレイは、
「42代目のもあるの?!」
と嬉々として訊ねてきた。
「…え?何で」
アレンが怪訝そうに聞き返す。
するとレイは顔を少し赤くして、
「小さい頃、憧れだったの。今は顔も覚えてないんだけど…会ったことあって。」
そう言い視線を地面に落とした。
これにはアレンも目を丸くして驚く。
「会った?」
「そうなの。
私、両親と首都に来てたんだけど、迷子になって。
街の外れで泣いてたら、男の人が来てくれて…」
「一緒に両親を探してくれた…ってこと?」
「ええ。そしたら男の人見たお母さん達がすんごくビックリして…、勇者様、て言ったの。
その人、勇者42代目だったんですって」
言い終わるとレイは懐かしいのかふふ、と笑った。