レヴィオルストーリー

「………別にこれといった用事は…なかったんだけど…」


アレンは少し照れながら言った。


「ただ単に会いたかったのね。」

レイは彼の言葉にとびっきりの笑顔を見せる。


「ほう、嬉しいかぎりじゃ。」

メディンはそう言うとアレンの頭を撫でた。

慣れていないのかビックリするアレン。


「甘えたじゃのう、可愛いわい。孫ができた気分じゃ。」

「…甘えたじゃないです」


リディンの時と同じ様にそう言われたアレンは、若干拗ねたのだった。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「ほれ、お食べ」


あの後メディンの家に招待された二人は、お菓子を少しもらいながらくつろがせてもらっていた。

勇者の城から近い場所にあるこの家は、一人で住むにはもったいないくらい豪華だ。


「ありがとうございます」

「いいんじゃいいんじゃ、可愛い孫が二人できただけじゃからのう」

メディンは笑って答える。



「………………。」

アレンはさっき撫でられた頭を無意識に手で触れていた。


「ん?どうしたのじゃ、アレン。撫でられたのがそんなに嬉しいかの?」

「…違います」

パッと手を離し、アレンはお菓子で口をもごもごさせながら答える。


「あと二人は探さなくてよいのかの?」

メディンはアレンを見て首をかしげながら訊いた。

それにはレイが答える。


「大丈夫です、きっとまたすぐ合流できます。」

そしてそれは実際に起こったりする。





「……ん?」

遠くから聞こえる音に、家の中の三人は?を浮かべた。



ドドドドドドド……。



「…何だ?」


音は大きくなっていく。





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