レヴィオルストーリー



あ──れ──ん───…

れ──い──…



し────ん。



…ピンポンピンポンピンポンピンポン!



「…………。」

アレンとレイは黙り込んだ。

何となく予感がしているらしく、嫌な顔を隠せないでいる。


「元気じゃのう」


玄関の扉を開けたメディンは、目の前で息を切らして女の子を背負う赤毛の青年にそう言った。


「ん?!あり?!い、イル、本当にここなのかぁ?!」

息を切らしたまま背後のイルに聞くギルク。

「ここよぅ。あたしの魔法に失敗はなーいの☆」

イルは自信満々でない胸を張った。



「アレンとレイなら中にいるぞい」

メディンは優しく微笑んで二人を案内した。


「アレン!この野郎!」

リビングにアレンの姿を見つけた途端、ギルクは飛び膝蹴りを繰り出す。


それをかわしたアレンはギルクにチョップを入れた。

が、ギルクもそれをかわす。

今度は二人同時にチョップ。

それも二人同時にかわす。

と、アレンの姿が消えた。


「ぐはぁ…」


次の瞬間、ギルクに蹴りが当たっていた。

ギルクは床に仰向けに倒れる。


「フ…負けか…認めようじゃねぇか…。だが、次こそは…」

「うるさい、黙れ」

アレンのキツい一言でギルクのドラマは終わった。


「んだよこの野郎~!!止めんなよ!!面白かったのに!」

「何でも誰にでもウケると思うなよ」


アレンの言葉にギルクはハッとする。


「そ、そうだ…。俺は大事なことを忘れてた!大事なのは、相手の反「長い、黙れ」」


ギルクのドラマはまたしても終わった。






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