レヴィオルストーリー
「カルアシティに、ちいと用事があっての。よかったら着いてきてくれんか?」
にっこりと優しく微笑むメディン。
反対にアレンは少々嫌そうな顔をした。
「カルアシティ?アレンの故郷じゃなかったか?」
アレンに訊ね顔を向けるギルク。
「そうよね。私、行ってみたいわ」
レイは両手のひらを胸の前で合わせ、にっこりとして言った。
「あたしも~ッ!カルアシティとか思い付かなかった!」
イルは嬉しそうにウサギの如くピョンピョン跳ねる。
「…アレンは嫌かの?」
彼の表情を見たメディンは悲しそうに訊いた。
その姿があまりにも可哀想で。
「…わかりました」
本当は物凄く嫌だったりしたアレンだったが、OKを出してしまった。
「やったぁ!次はカルアシティよぉ~♪」
「楽しみね♪」
女子二人は行き先が決まり、嬉しそうに手を合わせる。
さっきの彼の表情を見ていたギルクはアレンをちらっと盗み見た。
そうして見えたのは、複雑そうで微妙な感じなアレン。
「そうと決まれば今すぐ出発じゃ。できるだけ早く行きたいんでな」
「ハイ、リーダー!」
メディンに向かって敬礼するイル。
(…リーダー、俺じゃなかったっけ)
そんなことを考えたアレンも、仕方なく旅の支度を始めたのであった。