レヴィオルストーリー
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さてさて、只今の一行の現在地。
首都の真南に位置するリフォレの森。
黄緑の物体を追いかける、赤毛の青年がいましたとさ。
「待て~ゴーンめ!返せやあぁ~ッ!」
青年、ギルクは怒っていた。
それはもう言葉では言い表せないぐらい、とてつもなく。
何故なら、気味の悪いこのモンスターに大切な昼食のサンドイッチを奪われたから。
食べ物の恨みは恐い。
「…いつまでやってんだ、あいつ」
先を進むアレン達はギルクを見て呆れた。
「ゴーンなんかに何分かかってんだ。」
どうやらアレンのいつまでやってんだ、というのはそう言う内容だったらしい。
いつまで馬鹿やってるのかしら、と思っていたレイは心のなかで「そこなのね」とツッコミを入れていた。
「やっぱり大勢だと楽しいわい。」
そう言うメディンは本当に楽しそうだ。
しばらくして、ギルクはアレン達の元に戻って来た。
「サンドイッチよぉ、ゴーンが倒れるときにあの巨体で潰しやがってよ。」
そう言って拗ねるギルクに、心優しいイルはお菓子をあげたとか。
「カルアシティはまだなの?」
透明に化けたウルフを見てもいないのに峰打ちで倒していくアレンに、レイは後ろから尋ねた。
「…あと少しだ」
剣を鞘に戻しながら言うアレン。
メディンはその後ろ姿をジッと見ていた。