レヴィオルストーリー
19.アレンの故郷?
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「はわぁ…」
街の外れの小さな丘のてっぺんに立ったイルは、感嘆の声を上げた。
「きれー♪」
水色の屋根に白い壁の民家が建ち並び、その中央に同じ色のでかい豪邸が見える。
さらに向こうを見ると、綺麗な海と海岸沿いに建つ真っ白な灯台があった。
まさに絶景。
「…これで夕日の時間だったらもっとよかったのにね。」
レイはその美しい光景を自らの目にしっかりと焼き付けながら呟いた。
「俺が街を出たときに最後に見たのは朝日だったよ」
「凄そうね、見てみたいわ」
「…また今度な。」
そう言いながら指差すアレンの目線の先には、すたすたと先を急ぐメディンとギルク。
「…もうっ、これだから男はぁ~」
てっぺんで「やっほ~」と叫び、何か勘違いしていたイルはつまらなさそうにそう言った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
街に入った五人はでかい豪邸の前に突っ立っていた。
「へ~、これが街役場なのかぁ?」
「そ」
しげしげと見上げるギルクに、アレンは短く一言返した。
「メディンさんはここに何の用事があるんですか?」
「魔法具の配達を依頼されておってな」
「魔法具ッ?!見た~い☆」
魔法使いのイルはその言葉に反応する。
ちなみに、魔法具というのは文字通り魔法で作られた、特殊な道具だ。
「駄目じゃ。依頼されたものは誰にも渡さん!」
メディンは小柄な体で精一杯鞄を隠した。
「メディンさんのケチぃ~」
「これがわしのぽりしーじゃ」
またカタカナ語をひらがなで言ったメディンは目の前の建物に入ろうとした。
するとアレンは、
「あ、俺はちょっと用事があるから…」
と、どこかに行こうとする。