レヴィオルストーリー

「メディン、アレン君とやらを呼んでくれ。貴方がそこまで可愛がる子を見てみたい。」

ルナスは微笑むとそう言った。

その微笑みは三人をぞっとさせる。


「…メディンさん、アレン、じゃなくてアラン、どっか行っちゃったわよ」

レイがすかさずフォローした。

ギルクは口パクで必死にメディンに「アレンのことは言わないで下さい」と言っていた。

イルはにこやかに笑ってごまかす。


「ギルク、何金魚みたいにしとるのじゃ?それにレイまで、アレンのことをアランなんて…」


そう言うメディンの横をボディーガードの男がすっと通る。


「探せ」


ルナスはにやついた笑みを浮かべながら命令した。



ボディーガードは扉から出ようとする。

が、その時。


「ぐ…」

何かが横から蹴ってきた。

男は横に倒れる。


「何だ…そこにいるのか、アレン。」

ルナスは呟く。


アレンは扉の影からゆっくりと出てきた。



「…久しぶりだな」


ルナスのその言葉にも、アレンは答えなかった。


メディンは訳がわからない様子だったが、すぐにハッとしてルナスを見た。



「ユナル達に聞いたぞ?何故断る。」

「嫌だからだ」


アレンの言葉にはいつも三人と話すときにはない、棘があった。


「何故だ?あんなに光栄な仕事もないだろう」

ルナスは椅子から立ち上がるとそう聞いた。


「何が光栄だ…てめぇがやってろ」


アレンは冷たくそう返す。



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