レヴィオルストーリー
20.魔王の幹部
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「…待って、アレン!」
街役場を出たアレンは、すたすたと一人で歩き続ける。
それをかなり離れた後ろからレイとイルとギルクの三人は追いかけた。
メディンはまだ用事があると、どこかに行ったきりだ。
「アレンったら!」
いくらレイが呼んでもアレンは振り返らない。
ただひたすらできるだけ人のいない道を選んで歩いていく。
「どこ行くのよ!!」
レイの声はアレンには届いていなかった。
距離もだんだん広まっていく。
「アレン…」
とうとう、姿を見失ってしまった。
「どこ…?」
レイは辺りを見回す。
「…イル」
ギルクがイルに目配せした。
何か言いたげだ。
「うん、ちょっと待ってて♪」
イルはそう言うと魔方陣を足元に広げた。
「わぁ、魔方陣?」
レイは感心して駆け寄る。
魔方陣は、魔法使いが高度な魔法を使うときに要るもの。
普段は無言だったり杖を振ったりするが、高度なものはそれだけじゃできない。
魔法呪文や魔方陣はその高度なものをする時に使うのだ。
「何するの?」
「アレンの位置を掴むの☆」
さらっと言うが、それはかなりの実力がないとできない《位置断定》の魔法。
イルは実は凄い魔法使いだったりした。
「《位置断定》…」
何やら呪文を呟いたイルは目を閉じた。
しばらくした後、目を開く。
「見つけたわ♪」