レヴィオルストーリー
そして、一瞬の沈黙の後、アレンはいきなりハッと顔を上げた。
「アレン?」
「何か来る」
アレンの言葉に三人は一斉に部屋の半開きの扉を見る。
すると、扉ではなくアレンの後ろにそれは現れた。
アレンの後ろは窓。
つまり、外で宙に浮いていた。
「?!」
まさかそんなところから来るとは思ってもいなかったアレンは、咄嗟にレイを引っ張ってその場から離れた。
「あ~、見ぃつけたぁ」
宙に浮くそれはそう言ってにやりと笑うと、ふわっと床に足をつけた。
それは、女の子だった。
その後から少年も入って来る。
「…何だぁ、お前ら」
ギルクは警戒心たっぷりにそう言うと構えた。
「…武道家ギルク=カクブェン。俺らはお前には用はないんだ。」
灰色の髪に赤い目の整った顔立ちの少年は柔らかくそう言い放つ。
「正式にはお前らにはよねぇ」
赤紫の髪をポニーテールにしたこちらも赤い目の女の子は男の言葉に付け足す。
「俺らが用があるのは剣士アレン=ブロドニス、お前だ」
少年はそう言うとアレンに剣を向けた。
「…は?お前ら誰だ。何で俺とギルクの名前を知ってんだ?」
アレンも剣を抜き、レイを後ろに庇いながら言った。
「あぁ、自己紹介してなかったね。俺はクロム。一応、剣士…かな」
「あたしはビーン。妖術師よ♪」
勝手に自己紹介をした二人は急に襲いかかってきた。
アレンはレイと建物を庇いながら、応戦する。