レヴィオルストーリー
きっと、あれはアレンの母親。
そして、これは…。
『いいよ、お母さんと一緒ならどこでもいい♪』
小さなアレンは可愛く微笑んで言う。
本当に幸せそうに。
『あら、可愛い子ね。』
そう言った綺麗な女性はアレンを膝の上に乗せてその曖昧な色の髪を撫で始めた。
『お母さん、守人はいつまでやるの?』
『そうね、できればずっとやりたいわ。こんなに光栄な仕事って滅多にないものよ』
子供アレンは首を傾げた。
『コウエイ?』
『誇らしくてとても嬉しいこと。』
『わかんないや』
小さな子供が不思議そうにそう言うのを、女性は優しい碧の瞳で見つめる。
その時、不意に物音がした。
『? お母さん、何か音がしたよ。ネコかなぁ』
灯台にはよく雨の日に野良猫が来ることを知っているアレンはそう聞く。
『…違うわ。何かし…』
女性が言い終わらない内に。
────バアァン!
『!?うわぁっ』
部屋の扉が勢いよく吹き飛んだ。
『…!!貴方は…』
部屋の入り口を見た女性はハッとして口元を抑える。
〈……南の塔の守人、ナティアだな〉
入り口に立つ人物が口を開いた。