レヴィオルストーリー
『お願いです、やめてください…。』
『アレン』
ナティアはアレンを引き戻そうとする。
アレンはその手を振り払った。
『うるさい!勝手に何でも決めないでよ!!絶対、お母さんが死ぬなんて嫌だ!』
『…アレン』
その瞳にうっすらと涙が浮かんでいるのを見たナティアは心を痛めた。
『お母さんは悪いことしてないよ!なのに何で死ななきゃ駄目なんだよ!!』
母を見上げて訴えたアレンは男と向き合った。
『お母さんは殺さないでください!』
…………………………。
沈黙。
『…?』
男は黙ったままだ。
アレンを驚愕の表情で見ている。
『…あの?』
小さなアレンが沈黙を破った。
その途端。
〈…碧の瞳の…少年!〉
アレンを指差した男は声を震わす。
『え?』
意味のわからないアレンは首を傾げた。
〈こんなところにいたとは…!お前が…!!〉
取り乱したまま男は腕から真っ黒な魔力を生む。
〈死ね、今すぐ!この世から消し去ってやる…!!〉
そう言った男はアレン目掛けて魔力で創った真っ黒な剣を振り上げる。
『えっ…!?』
アレンは目をギュッと瞑った。
────殺される!
辺りに血が飛び散った。