レヴィオルストーリー
「…アレン」
また別の声がした。
この声はレイ達三人も聞いたことがある。
「…ユナル!」
アレンではなくレイが、嬉しそうに声を上げた。
「どぉも。戻ってきてたのね。」
ユナルはにっこり笑って言う。
「…うん、ちょっとだけ」
めんどくさそうにアレンは答える。
「エニスとスーリンは?」
ギルクが辺りを見回して聞いた。
「さぁ。今日は私一人よ。後でエニスとはデートだけど、ね。」
そう言ったユナルはウインクをする。
「わぁ、ユナル、エニスと付き合ってるのね♪」
イルは自分のことのようにやたらと喜んだ。
「ふふ、そうね。ところでアレン、お父さんと話したんだって?」
アレンは器用にピクッと片眉を上げると、ユナルをちらりと見た。
「…ん。」
「随分暴れたみたいね。私、お父さんの話聞いて大笑いしちゃったわ。」
微笑んでユナルは柔らかく言った。
「ごめんなさいね、どうしようもない親で。あの人、ずっとあんな態度だし。大笑いした後で怒ってやったわ。」
ユナルの言葉にアレンは驚いた。
「…お前が?親に?」
「えぇ、我慢の限界だったの。」
そう言った後、ユナルはギルク達を見た。
「アレンを、よろしくね。」
幼なじみの言葉にアレンは目を丸くした。
「は!?」
「だってアレン、いつも何でも我慢して一人で溜め込んでて。私達に少し見せてくれた分よかったけどね。」
まるで姉ちゃんだな、と姉持ちのギルクは思った。